2012年10月1日月曜日

木を文化に取り込んでいく取組みー Wood in Culture~

木を文化に取り込んでいく取組みー Wood in Culture~木のある文化へ
の関西バージョンが2012/10/20に開催されます。
https://docs.google.com/folder/d/0B2taf8wGv4m8NThlZjBmODMtZDhhZS00MWVhLThiMWMtMjQzZjdkMjU4ZDky/edit

関西に先駆けて、今年の5月に行われた関東バージョンの様子をご紹介します。

まず、この会について。
木を使うという生活スタイル・そのデザインを多分野を巻き込んで浸透させていこうという8年計画の幕開け。木を使うデザインについて、幅広く捉えていこうというコミュニティです。


Introduction
木を育てる人・木を使う人・・・
各自が自然と人との豊かな共生文化を創造することを目的とした、木材担い手教育が必要である。
担い手教育をする人材として、広範な時空間に渡る人と自然の関わりを教養としてもつことが望ましい。

3項目に分けキーワードを挙げて、因数分解的に解釈
(1)人と自然=木×(水+火+音+地+時)

(2)社会と自然=木×(町+育+食)

(3)人の心と自然=木×(癒+祈)

現状として・・・
あらゆるところに人間の居住区域が形成されたが、少子高齢化によっていずれ廃屋となっていく。
長期的な視点で木材利用、地域デザインを考えていく必要がある。

話題提供ー4名

①なぜ今木材利用なのか(有馬孝禮氏  東大名誉教授)
主軸の視点:日本の森林資源に対して、適正な整備保全が望まれる。
ex. 工作物、製品の原材料、およびエネルギー源としての利用

空気中のCO2は木材の中にストックされる。乾燥した樹木の重さの半分は炭素の重さである。
世にいう低酸素社会とは、高二酸化炭素貯蔵世界と言い換えることができる。

炭素を森林が蓄積し、その森林木材を使うことで炭素を固定したまま、違う形状で木を生かすことができる。
伐採後の土地は更新し、森林再生することで「生産を生む消費」が実現する。

key: 使うことが次の更新につながり、森を持続的に利用することにつながる。
資源循環型社会

木材は他の資源に比べて圧倒的な炭素貯蔵
構造物の維持管理は続けていこうという意志が、機能維持⇔管理⇔メンテナンスの輪を生む。

②木のおもちゃ~触れてわかる思い(煙山泰子氏  木工デザイナー・KEM工房
主軸の視点:ふれあい、学ぶことができる「木育」という存在に注目を集める。
木と森との関わりを主体的に考えるために、つながりの中から考える。

・木育で用いる木のおもちゃによって、木は二度生きることができる(メビウスの輪)
木育の中での4ステップ
(1)見て、
(2)触って、
(3)感じて、
(4)考える。

森の時間の長さに対して、人がよりそっていく。木と生きるということは本質的な力を身につけていくという過程である。

現在木育を受けられる場所
・nature centor
・森のようちえん
・森のサロン
・イキイキ森ネットワーク
・新宿区おもちゃ美術館


③職人の目から見た木の使い方 (中村光敬氏  建具一級技能士・中村木工所)
 主軸の視点:木を使う、その目線を多様に持ちましょう


木工細工。 薄さ2mmに仕立てたそうです。職人!


木のルールを見極める
・針葉樹を使うか、広葉樹を使うか
・木の重ね合わせ利用による強度補強
・木ののび

デザインを凝っていく。
デザインで到底木で達成できえないような、緻密な作品を作ることで、人に感動を与えることができる。
(画像参照)

④木の文明と軸の建築文化 (黒川哲郎氏  建築家・東京芸大名誉教授)
 主軸の視点:空間こそ建築の真実である。

この頃は地震対策が叫ばれており、法律の規制が細かくなっている。
耐震構造を形成する上では、土台が重要であり、土台が変形してしまってはどんなに接合部を工夫してもうまくいかない。
木の文明を考える上で、建築を軸に考えるのは、日本は4000年近く木で建築を作り続けているからだ。
日本の建築は「ヌキ」と呼ばれる、接合部のつなぎ方、空間の構成の仕方に特徴がある。ヌキを行うことによって、材料は断面欠損はするものの、ゆっくりと抵抗しながら変形していくこととなる。



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個人的に黒川哲郎氏の著作

「建築のミッション: スケルトンドミノとスケルトンログは林業と建築を結ぶ」

 http://www.amazon.co.jp/%E5%BB%BA%E7%AF%89%E3%81%AE%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%9F%E3%83%8E%E3%81%A8%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%81%AF%E6%9E%97%E6%A5%AD%E3%81%A8%E5%BB%BA%E7%AF%89%E3%82%92%E7%B5%90%E3%81%B6-%E9%BB%92%E5%B7%9D-%E5%93%B2%E9%83%8E/dp/4306085317/ref=sr_1_3?s=books&ie=UTF8&qid=1349103233&sr=1-3

 がおすすめです。

関西での盛況を願っております♪
関西と関東のコラボレーションに期待を寄せ、林業女子@東京としても何らかの形で関わっていけたらいいなぁと思います。

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