今週末も森に行きます、ヒマラヤです。
今回も引き続き、7月14・15日に行った徳島森巡りより、巡り先をエッセイ風にご紹介しております。
パート1 道中記
パート2 橋本林業さんの山を森巡り
パート3 佐々木材木店さんの山・製材所を森巡り
パート4 神山町・グリーンツーリズム体験施設を森巡り
パート5 参加者の声
パート2 橋本林業さんの山を森巡り
○訪問のはじまり
橋本林業。
自伐林家として、作業道作りの名手として知る機会がありました。
今回徳島森巡りで訪れさせていただくことができて、本当に光栄に思います。
○卓越した全体感
橋本光治氏がまず始めにおっしゃったのは、
「大きいところには大きいやり方、小さいところには小さいところのやり方が必要なんや」
橋本氏の取り組みの特筆すべきことは、「良いものを取り入れる」という、一見当たり前なようで、でも過程には困難がつきものな、発想と実践にあるのだろうと感じました。
最初から林業界に入ったのではなく、「銀行員」から始まった仕事人としての第一歩。
林業を、山を継ぐにあたって、そこには始めから、林業を少し従来とは別の切り口から捉える視座があったのでしょう。
行きついたのは与えられた場で 林業の本質を見極めるという宿題 |
その証となるのが、短伐期、長伐期、複層林、混交林の全てが揃っている橋本氏の山林。
「名は体を表す」と言いますが、「林業施業が、山林が、人を表す」
そんな言葉がぴったりの、橋本氏の人柄とお山と林業施業です。
○橋本林業の経営の三本柱
1)作業道と経営規模との調和の取れた機械化
2)少人数(家族労力で行う)
3) 間伐、択伐施業、多様な森づくり
「道を入れて、小さい機械を入れる。皆伐ではなく、間伐をして、家族でやる。」
植わっている木はスギがメインで、齢級構成から読み取れることとして、一時業者に委託した時期に皆伐が入った関係でばらつきが少しあるものの、基本的には択伐施業が行われています。
「本当は全部残したかったのだけど、皆伐してやりよったけん、そうなったんや。」
山を施業する人と山を所持している人の間の関係。
結局、作業になってしまっては、山林を次世代に伝えていくという点が薄れてしまうのかもしれません。
○橋本氏のお山を巡る
到着時の雨がちょうど良いタイミングで上がり、一同が動き出します。
上には別の事業体の集材用の架線。 急峻な山を壊さないために。 |
山に入って、ぱっと眼を配らせて、コンマ0.3秒くらいの間に決めること。
なんだと思いますか?
「パッ」
森の中での木の良し悪しのの見方 |
「悪い木って言ってもわからないわよねーー」
とすかさず奥さまの延子氏から一言。
「生命力があり、成長を続けていけるような木を残していくんです」
とご子息の忠久氏から補足の説明。
家族のあたたかさも山に表れているようだな、とじんわりしました。
沢山の種が生育していて、大変機能的な森という印象を受けました。
林業と生物の多様性の観点については、
「林業を持続的に経営しようとしたら、生物機能に配慮せざるを得ないはずなんですわ」
という橋本氏の言葉に集約されています。
急峻な土地だからこそ、いい道づくりがありきとなった。
橋本氏が道をつけた山の、隅々まで歩きたくなっちゃうような森巡り☆
また近いうちに行かせていただけたらうれしいです♪
「パシャッ」 それにしても、なんとプレミアムなんでしょう。
なにがって??
橋本林業のみなさん、ありがとうございました!! (森巡りメンバーと橋本林業さん、佐々木木材さんで一枚) |
「林業施業は規模によって考え方を変えていかなくてはならない。
沢山木を山から出すためには、
徳島県は架線じゃないと出てこられない。
架線の技術もしっかり伝えていかなくては。」
ということで、パート3では大きなところのやり方である架線集材を行う
「佐々木材木店さん」の山林における森巡りです!
次回もどうぞお楽しみにしていてくださいね♪
文責:ヒマラヤ