2013年8月4日日曜日

森巡り第9会 徳島森巡りーパート3 佐々木材木店さんの山を森巡り

もりめぐり。わいわい楽しく、山の中でも都会の中でも、木を探し、森をめぐる。
はじめまして、今回初参加させて頂きましたタケチャンです。
ブログ更新も初となりますが、7月14・15日に行った徳島森巡りより、佐々木材木店さんを中心にをご紹介させて頂きます。

パート1 道中記
パート2 橋本林業さんの山を森巡り
パート3 佐々木材木店さんの山・製材所を森巡り
パート4 神山町・グリーンツーリズム体験施設を森巡り
パート5 参加者の声

パート3 佐々木材木店さんの山・製材所を森巡り

今回の徳島森巡りのきっかけの佐々木材木店さん。
大規模に山林を所有されていて、そこで取れた木材の製材も行ってます。

今回は、佐々木材木店の森と製材所、
更に佐々木材木店の森の木を余すところなく使ったモデルルームにお邪魔しました。


○佐々木材木店 山林・林業地巡り
まず、お伺いしたのが、佐々木材木店所有の森林!

とにかく広い!
目の前に広がる森が全て佐々木氏の所有の木々の連なりとのこと。



先日ご紹介した橋本氏の家族経営主体の林業(まだ見てない方はコチラをご参照ください)
とは真反対の大規模な集約型林業が行われてました。
ここでも、徳島の山地の特徴である急斜面がよく見受けられました。


ほんとに急斜面なんです。こんなところで木を切って、集められるの!?!


そうなんです。集められるんです!
こちら、架線集材を使っております。



架線集材という手法では、伐採した木材を、山の麓や公道にまで運ぶ為に、
伐採地からワイヤーを張り、架線によって木材を運びます。


そして、この方が架線集材のスペシャリスト 樫谷氏
ネパールで技術指導などをされている方です。
林業の技術を海外で活かす機会があることに驚きました。


ここでは架線集材や林業機械についての詳しい説明や実際の林業の話を伺いました。

実際にかなり広い山での林業をする訳ですが、
林道や林業機材がまだしっかり整備されなかったほんの4ー5年前までは、
伐採地の近くの宿舎で作業員の方は寝泊りしながら伐採などをされていたことです。

現在は車の通れる林道が伐採地まで出来、自宅から通うことができるそうです。


またお話を伺う中で特に印象的だったのは、
働かれている作業員の方々が自信を持って、熱く語ってくださることでした


○佐々木材木店 製材所

実際に山々で切られた木材を収集し、乾燥、加工を行っている工場にもお邪魔させて頂きました。


またまた広い敷地内に木材を天然乾燥させておく場所と、、、



実際に色々な寸法の材木に加工する加工場とがありました。



天然乾燥では、大体4ヶ月かけて木材の中の水分を飛ばします
これにより、商品の反りや狂いを少なくし、使いやすくします。

丸太が大量に並んでいる様子は圧巻です。


そして工場では一本の丸太から、柱、間柱、床材など効率的に必要な木材を加工していきます。
1本の丸太を加工して、最後に商品となるのはもともとの材積の6割ほど。

如何に効率よく希望する寸法の木材が取り出せるか
また水分が飛んだ後に起こる反りや狂いを少ない切り方にするかが腕の見せ所です。


以前は40年ほどで伐採し、木材市場などで売ることが多かったそうですが、
現在は、60~80年齢林を関西地方などの工務店に直接売ることが多いそうです。


徳島でよくある大形材をどうやって売っていくのかなど、
製材屋としての視点からのお話を沢山伺えました。



○モデルルーム TSウッドハウス

さて、次に訪れたのが、徳島の林業家さんが共同で作られた
徳島スギを最大限に活かしたTSウッドハウス協同組合さんのモデルハウスです。


樹齢60年以上の徳島スギに、葉枯らし乾燥や天然乾燥を行い、
木材の性能を保持した状態で床材や柱などに利用しています。

今回は、徳島スギがふんだんに使われたこの家に泊まらせて頂きました。


一番びっくりしたのは、スギの快眠効果。
スギの香りには眠りを促進する効果があとのことでしたが、
なんと眠りが浅い私が、窓をあけた虫の鳴き声なんかも聞こえる状況で
気がついたらぐっすりと眠りに入って気持ち良く朝を迎えていました!


また、床材の肌触りや見た目の雰囲気もとても居心地が良く、
林業女子たち皆でまったりと寛がせて頂きました。

居るだけでこんなにリラックスできるとは思わず、本当に驚きました。


まだ、もうひとつ見学させて頂いたのが 那賀川すぎ共販協同組合の板倉の家!

こちらは徳島スギを使った家をプレカット加工などを用い、
比較的安い価格で作れる工法のモデルハウス。

TSウッドハウスと同様の杉の香りに包まれた素敵なお家でした。

その土地の木材をその土地にあったやり方で使っていく地産地消という考え方
生で体感した瞬間でした。


こういった良い床材や木材を如何に林業家さん、製材屋さんから
実際に利用されるお施主様や一般ユーザーの方にどう繋げて届けるのか。

雑誌などの取材も積極的に受けられているこちらのモデルルームは
ひとつの参考例として大変面白いものでした。


TSウッドハウス協同組合 http://www.ts-wood.or.jp/

那賀川すぎ共販協同組合 http://sb-house.com/


○番外編 潮来の家

実は、徳島に来る前日にお邪魔した茨城県にある潮来の家
こちらは、茨城の木材を利用した木の家のモデルルームです。

木を使った家っていうと、床材や羽目板(壁用の材木)が一般的に創造できますよね。

しかし、それ以外にも色々出来ちゃうんです!
たとえば、囲炉裏とか!

潮来の木の家は、埼玉県さいたま市に本社がある株式会社榊住建さんが、実際に宿泊体験をできるモデルルームという形のサービス提供をされており、今回ご協力いただくことができました。

株式会社榊住建 http://www.sakaki-j.co.jp/

癒しの効果を体験できるだけでなく、
色々な生活の場面で木材や木の家の利用ポイントを考えることが出来ました。

こんな感じで、林業から製材、木材の実際の利用まで
一連の流れを見ることが出来た今回の森巡り。

森から人の手へ渡るまでどういった流れで、どこに課題があるのか
色々と考えさせて頂きました。

次回はまた少し違った視点からの森巡りをお伝えします。

文責:たけちゃん