2012年10月3日水曜日

<里エネ>×林業女子の可能性??


こんにちは。昨日に引き続きあらこです。

先日、「<里エネ>ルネサンス! 活かそう地域のエネルギー」
というシンポジウムに行ってまいりました。

今日はそのご紹介をしようと思います。


里エネということば、みなさまご存知でしょうか?

私も初めて聞いたのですが、
要するに地域でつくる再生可能エネルギーのことをこう呼んでいるようです。

プログラムはこちら。(PDF)
http://www.rinkeiken.org/sympo/sympo2012.pdf


内容は6名の報告とパネルディスカッション。

木質バイオマスの利活用に関する報告が中心でした。
印象に残ったところをご紹介します。

「里エネ利用のルネサンス―需要側からエネルギー問題を考える―」
(安村直樹氏 東京大学大学院農学生命科学研究科講師)
・需要=健康増進(医療費の削減)に里エネを活かす。
・埼玉県小鹿野町では健康増進の取り組みによって医療費削減に成功。
・心疾患等の死亡率は冬季に高くなる
→危険因子の1つに高血圧
→健康増進のために住宅の省エネ化・温熱環境の改善を。
・薪ストーブ導入
メリット:地球温暖化対策、森林資源有効活用、地域活性化、防災グッズ
デメリット:臭いや煤による洗濯物の汚れ・頭痛、粒子状物質による健康被害
・粒子状物資燃焼による健康被害を減らすためにも、その他問題解決のためにも燃焼技術の向上を。


「これからの日本のエネルギー」
(河野太郎氏 衆議院議員) 
・日本の核燃料サイクルの現状
…軽水炉の安全神話崩壊
  使用済み核燃料の保管場所ない
  高レベル放射性廃棄物(低レベルになるまで10万年)処分方法どうする
  プルトニウムの処理方法ない
  高速増殖炉開発できない…課題山積。
・事故の度に対策費用が増加し原子炉建設コストは年々増加し続けている。
・世界的に自然エネルギーへの投資は増加。
・日本はEUに比べてバイオマス発電によるエネルギー供給少ない。
・大規模(原発等)から分散型にしていくべき。地域にもお金が落ちる。


「熱利用が唯一最優先の課題である」
(小池浩一郎氏 島根大学生物資源科学部教授)
・エネルギー利用≠電力利用。熱利用についても着目すべき。
・スウェーデンがバイオマス利用に成功したのは熱力学的に大きなミスをしなかったから。
(バイオマスを燃焼させて発生させた熱エネルギーをわざわざ電力に変換すると効率が悪くなる。直接熱エネルギーとして利用すれば効率は良い。)
・バイオマスは熱エネルギーを含めれば競争力は高い。

「葛巻町森林組合の挑戦」
(竹川高行氏 葛巻町森林組合参事)
・カラマツを中心とした地域の森林資源の循環利用を推進→持続可能な森林経営。
・森を活用した多角的な事業・活動を展開
…FSCのCOC認証取得
  カラマツ材のブランド化
  東京都港区との協定締結
  広葉樹の活用(木炭、薪、しいたけ原木など)
  くずまき型企業の森
  森の町内会(企業による間伐サポート)
  J-VER制度
  キッザニアの森など。


「身近な森林を身近なエネルギーに―薪の宅配サービス―」
(木平英一氏 (株)DLDバイオエネルギー事業部 統括)
・長野県伊那市に本社。薪ストーブの販売施工と薪の宅配サービス事業を実施。
・身近な森林を身近なエネルギーにするために足りないものは? →流通!!
・2007年から薪の宅配サービスを実施。
…原木購入→玉切り→薪割り→乾燥→配達→代金請求 という流れ。
・薪の宅配で、薪を普通の燃料に。燃料として灯油等に対抗しようとする取り組み。
(安定供給、品質確保、単位発熱量あたりの価格が灯油と一緒、薪小屋不要、代金は口座振替)
・薪の宅配サービスの2つの意義…「森林資源の保全活用」と「再生可能なエネルギー」
 
・長野県での薪需要は薪ストーブだけですでに18万㎥/年!
・地域への波及効果(資源活用、雇用、障害者施設)が大きい。

「再生可能エネルギー電力買取制度が森林経営に及ぼす影響について」
(泊みゆき氏 NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク理事長)
・バイオマス利用は多様な利用が可能だが、エネルギー利用は最も価値が低い利用
・木質バイオマスのエネルギー利用では、熱が本命、電気はおまけ、液体燃料は当面困難。
・土佐の森・救援隊の自伐林家育成。C材で晩酌を!
・吉里吉里国・林業大学…被災者による復活の薪プロジェクト
・森林林業再生プランにより、材の搬出増大。供給過剰により特に西日本で材価暴落。
・再生可能エネルギー電力買取制度(FIT)では、森林由来バイオマスを32円/kWhで買取。
・バイオマス(エネルギー)利用は、熱利用(ボイラー導入)から段階的に発展させるほうがリスクが少ない。
・ボイラーは薪・丸太ボイラーだと材の買取価格を比較的高くできる。

これからを生きていく私たちにとって

エネルギー問題は避けては通れない問題だなぁと日々感じています。

そして、森林にはそれを解決する可能性がまだまだたくさん秘められていることも。



ディスカッションの途中で、

泊さんのご発言の中に「林業女子」という言葉がちらっと出てきて
(いろんな人が林業に関わるべき!という文脈だったかなー、と思います。)

私たちも何かを変えるきっかけになるかもしれないと期待されてるのかなと

勝手にドキドキしていました。

私たちに何ができるかな?これからもっと考えていきたいですね。



<おまけ>

会場の東京大学弥生講堂一条ホール、とてもすて木な建物でした。

ホールのまわり

天井の梁

 演台の様子




 建築で賞をもらっているそうです。

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